Thursday, May 2, 2013

The mysterious platform 9/10


An article from Mainichi Shinbun about railway-related puzzles in Tsukuru Tazaki: 

特集ワイド:村上春樹さんの新作めぐる「謎」 多崎つくるは「駅鉄」なのか 9・10番線ホームの意味は…

毎日新聞 2013年05月01日 東京夕刊
最終章で描かれる9、10番線ホーム。主人公、つくるはここで何を見ていたのか=JR新宿駅で4月25日、手塚耕一郎撮影

川村湊氏「鉄道への愛情を感じない」/原武史氏「いろんな駅に通ったはず」

子どものころから駅が好きな鉄道会社員−−。村上春樹さんの新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の主人公は、そんなふうに紹介されている。ノーベル賞に最も近いと言われる作家が、鉄道ファンを題材に? 鉄道好きな記者としてはほうっておけない。さっそく手にとった。【小林祥晃】
 <ただひとつ趣味といえばいいのだろうか、多崎つくるが何より好きなのは鉄道駅を眺めることだった>
 主人公のつくるは「自分は個性や特徴のない、色彩のない人間」と思い込んでいる。物心ついてから駅で列車を見るのが好きで、現在は鉄道会社で駅舎を設計、管理する仕事をしている。
彼の心には深い傷がある。20歳の時、男女4人の親友に突然、絶交を言い渡されたのだ。以来16年、深い人間関係を結ばずに生きてきた。だが、恋人の木元沙羅から「過去と向き合うべきだ」と諭され、親友を訪ねる「巡礼」の旅に出る……。
鉄道ファンは、写真撮影に夢中になる「撮り鉄」や、乗ることに喜びを感じる「乗り鉄」など、楽しみ方によって呼ばれ方が異なる。つくるの場合、駅舎の形や線路の配置を研究したり、一駅でも多く乗り降りしようと各駅を訪ねて回る「駅鉄」のようだ。
 ところが読むにつれ「彼は本当に鉄道ファンなのか」との疑いが湧いてきた。というのは、つくるは駅を訪れると心安らいでいるように見えるからだ。根っからの鉄道ファンなら好きな駅ではハイテンションになるものだが、そんな「おたく」っぽさは伝わってこない。しかし「同じ鉄道ファンであってほしい」という気持ちも捨て難い。一体、な「おたく」っぽさは伝わってこない。しかし「同じ鉄道ファンであってほしい」という気持ちも捨て難い。一体、つくるは何者なのか。それはどんな意味を持っているのか。

「鉄道への愛情は感じないね。多崎つくるは本当の鉄道好きではないよ」。ばっさり斬るのは文芸評論家の川村湊さん(62)だ。学生時代から全国の多くの鉄道路線に乗った。戦前、旧満州(現中国東北部)にあった南満州鉄道(満鉄)を題材にした「満洲鉄道まぼろし旅行」の著書もある。
川村さんが指摘するのは、つくるが鉄道を利用する機会があまりに少ないことだ。フィンランドを旅する場面では車で移動している。「これはおかしい。ヨーロッパまで行って鉄道を使わないとは。名古屋と東京を何度も往復しているのに、新幹線の描写も少ない」。つくるのお気に入りのJR新宿駅については「東京駅や上野駅のように建築物として魅力のある駅とは違い、単なる駅ビルで味気ない。古い木造駅舎など特徴ある駅舎をめでるのが駅鉄でしょう。本来の駅鉄とは思えない」と断言する。
Full story here: http://mainichi.jp/feature/news/20130501dde012040011000c.html

No comments:

Post a Comment