Thursday, April 11, 2013

The "craze" is already starting:

村上春樹さん「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 新作をめぐる熱狂 

2013.4.10 07:39 
書店のレジには、村上さんの新作を告知するモノトーンの宣伝ポスターが貼られていた=3日、東京都千代田区の三省堂書店神保町本店
書店のレジには、村上さんの新作を告知するモノトーンの宣伝ポスターが貼られていた=3日、東京都千代田区の三省堂書店神保町本店
 12日に発売される村上春樹さんの3年ぶりの長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」をめぐる動きが熱を帯びてきた。発売日には、多くの書店が特別イベントや営業時間前からの販売を計画。東日本大震災後に村上さんが発表する初の長編という話題性もあり、内容についての憶測もネット上をにぎわしている。(海老沢類)
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予約もハイペース 発売前に50万部用意
 村上さんの新作はネット書店「アマゾン」での予約が3月15日の受け付け開始から11日間で1万冊に到達した。これは前作「1Q84」を上回るハイペースで、出版元の文芸春秋は、単行本として同社最多となる初版30万部に加え、3度の重版をかけ発売前に計50万部を刷った。
 「発売日には1千冊以上をそろえる。初速で勝負したい」(東京都内の大型書店)。出版不況に悩まされる書店が、人気作家の待望の新作に寄せる期待は大きい。深夜2時まで営業している代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)は、発売前日の11日午後11時から文芸評論家の福田和也さんが村上さんのファンと新作に想像をめぐらせる「深夜の読書会」を実施。販売を始める12日午前0時の1分前からカウントダウンを行って盛大に祝うという。
 一方、池袋駅西口のビル7階にある旭屋書店池袋店(豊島区)は、池袋駅地下1階のJR改札近くで12日午前8時すぎから“出張販売”する。丸善丸の内本店(千代田区)も「通勤客にいち早くアピールしたい」(同店)と、12日は開店より1時間早い午前8時から店頭で村上さんの新作を販売する予定だ。
震災後の何かを暗示? 長くて不思議なタイトル
 社会現象になった「1Q84」が刊行された際、出版元の新潮社は「内容を知らずに読みたい」という読者の声に応え、タイトル以外の情報を極力伏せた。
 文芸春秋もこれを踏襲し、タイトルと2つの著者メッセージを公表した以外、内容につながる情報は明かしていない。書店に配られた宣伝ポスターも黒地に白のシンプルなもので、「実際に搬入するまで装丁すら想像できない」(東京都内の書店員)状況が続く。
 長くて聞き慣れない不思議なタイトルに、情報の少なさが加わって、ネット上などではファンが“深読み”を競っている。〈巡礼の年〉がフランツ・リスト(1811~86年)による同名のピアノ独奏曲集を指すとの指摘の一方、著者メッセージにある〈「ノルウェイの森」以来かな〉の記述を引いて「ノルウェイの森」と同じような恋愛小説では-と期待する声も出ている。
 新作が注目される背景には、東日本大震災後に村上さんが発表する初の長編小説という事情もある。2011年にスペインのカタルーニャ国際賞を受けた際、震災と原発事故に触れ、日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と語った村上さんのスピーチは大きな反響を呼んだ。長編『ねじまき鳥クロニクル』(平成4~7年発表)で1939年のノモンハン事件を描くなど、小説の中で日本の歴史を見つめてきた作家の新作に、震災という圧倒的な現実がどう描かれるのか、専門家は注視している。実際、〈色彩を持たない〉〈巡礼〉といった言葉に「死のイメージを強く感じる」といった見方は少なくない。『MURAKAMI-龍と春樹の時代』(幻冬舎新書)の著者で、文芸評論家の清水良典さんはこんなユニークな読みを提示する。「時折アナグラムを使うのが村上作品の特徴。人名とみられる題名の『多崎(たざき)つくる』を、ローマ字にして順序を入れ替えると『続く力』になる。いい意味での『続く』なのか悪い意味でなのか…震災後の何かを暗示しているようでとても興味深い」

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130410/bks13041007450001-n2.htm

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